プログレッシブな日々

混沌こそ我が墓碑銘。快楽の漸進的横滑り。

コミック

NETFLIX『舞妓さんちのまかないさん』が素敵すぎる。

www.youtube.com 仕事が立て込んでいるにもかかわらず、あまりにも魅力的なドラマで、先週Netflixで公開された全9話をすべて観てしまった。“総合演出”として是枝裕和監督がクレジットされ、各エピソードは是枝監督単独を含めた4人の監督が交代で、もしくは是…

ちくま文庫『楠勝平コレクションーー山岸凉子と読む』を読んだ。

楠勝平コレクション ――山岸凉子と読む (ちくま文庫) 先週末に出先の近くの本屋を覗いて手に取った『楠勝平コレクション』を読んだ。楠勝平は1960年代後半から70年代初頭にかけて主に『ガロ』を舞台に作品を発表していたマンガ家で、1974年に30歳で病死してい…

「一度きりの大泉の話」萩尾望都 を一気読みした。

一度きりの大泉の話 読み始めたら、やめられなくて引き込まれるように読んで、結局一晩で12万字を読み終えてしまった。おかげで今日は寝不足である。しかし、決して読みやすい本ではない。 かつて新人時代の萩尾望都と竹宮恵子が練馬区大泉で同居生活を送り…

『その女、ジルバ』はやはり原作も素晴らしい!

その女、ジルバ(1) (ビッグコミックス) 各方面から大絶賛のTVドラマ『その女、ジルバ』ですが、原作マンガを読みました。こちらも素晴らしい。決してうまい絵ではないですが、不思議な柔らかさとそれでいて感情表現の鋭さがあり、台詞回しも上手。全5巻し…

『歩くひと 完全版 』(谷口ジロー)を読んだよ。

r 最近、NHKでTVドラマ化された亡くなった谷口ジロー氏の名作が、全エピソード収録&カラーページ再現の完全版として出版されたので、さっそく購入して読んでみた。いや読むと言うより、観た、といった方がふさわしい読書体験だった。 マンガとしては大判のB…

利休忌に「へうげもの」を読み返そうかと考える。

今日は利休忌で、その弟子であった「(古田)織部の日」でもあるという。 慶長4(1599)年の今日、千利休を継いで豊臣秀吉の茶頭となった古田織部が、亡き師を想って自分で焼いた茶器を用いて茶会を催した。織部焼の始まりである。 その師弟二人が重要人物と…

ほんとうに「クイーンは日本の少女たちが発見した」のか? 

大島弓子『ほうせんか・ぱん』(1974年)より 世間ではクイーンの伝記映画が盛り上がっていて、その語られる文脈の中で「クイーンは日本の少女たちが発見した」というものがある。ほんとうだろうか? 確かにデビューアルバムは本国で不評だったようだが、セカ…

『ポーの一族 春の夢』雑感。

ポーの一族 ~春の夢~ (フラワーコミックススペシャル) 萩尾先生は本気だ。 40年前、紅蓮の炎の中に消えた主人公たちとともに、完全に終焉を迎えたと思われていた『ポーの一族』の物語。昨年、40年ぶりの新作が掲載された雑誌がたちまち完売してしまった騒動…

奇妙な味のタイトル3題〜『夫のちんぽが入らない』『聲の形』『葛西善蔵と釣りがしたい』

レコードやCDのジャケ買いがあるように、小説本にはタイトル買いがあると思う。 たとえば、高校時代に読んだ『芽むしり仔撃ち』や『性的人間』『万延元年のフットボール』『われらの狂気を生き延びる道を教えよ』といった大江健三郎作品はタイトル買いだった…

April Come She Will 〜今月の読書録〜

なんだかんだ言って本読んでるな。でも、積ん読も多いんですよ。仕事で読んだ本を除いて、今月読み終わった本をざっと紹介してみる。 聲の形(講談社/全7巻) 大今良時 アニメ映画化もされた話題作。設定からは「障害者差別」「いじめ」というタームが思い…

『海街diary 8 恋と巡礼』読了

1年以上ぶりの第8巻が発売されたので、早速購入して読了。『恋と巡礼』....実際に巡礼する場面が出てくるのだが、さまざまな想像を掻き立てる魅惑的なサブタイトルである。 本巻ではこれまでもっぱらお笑い担当で脇に徹していた三女のチカが新しいヘアスタイ…