シェイクスピア『ジョン王』は意外とおもしろい
シェイクスピア作品全訳という偉業を達成された松岡和子さんの昨年の講演を聞いて、感銘を受けてから、ちびちびとシェイクスピア作品を既読を含めて読んでいます。松岡さん以外の新訳にも寄り道しているので死ぬまでにシェイクスピア全作品を網羅できるか自信ありません。この『ジョン王』は、高校で世界史をやった人ならご存じの「マグナカルタ」を認めざるを得なくなったちょっと情けない王様。シェイクスピア作品の中ではマイナーな部類で僕も今回初めて読みましたが、案外と面白くて驚きました。イングランドとフランス両陣営の争いがストーリーの核ですが、この争いを丁々発止の「舌戦劇」としてまとめ上げたシェイクスピアの手腕を楽しむ作品です。