プログレッシブな日々

混沌こそ我が墓碑銘。快楽の漸進的横滑り。

『明六社』(河野有理 著/中公新書)を読んだ

久しぶりに土日を完全休暇に充てられるので、読書と野球(WBC&NPBオープン戦)三昧で過ごしている。今朝、読み終わった1冊がこちら。昔から日本が近代に踏み出す幕末~明治期の言論状況や知識人の動きには興味があったが、その端緒とも言える「明六社」をテ…

ハン・ガン『少年が来る』雑感

昨年のノーベル文学賞を受賞した作者の代表作。各所で紹介されている通り、この作品は1980年の民主化を求める市民と軍事政権の衝突「光州事件」に材を取っている。 この10日間の騒乱中に15歳で軍に射殺された少年を中心に、彼と同様に命を失った人々、またか…

杉浦日向子さん没後20年

今年はマンガ家・江戸風俗研究家だった杉浦日向子さんの没後20年。私より3つ年上で46歳の若さで亡くなった。 夏は終わって、お彼岸の今、江戸期の怪異掌編99編で構成したこの連作マンガを読んでいる。100話目を読者に委ねているところがミソだ。 杉浦さんは…

映画『遠い山並みの光』雑感

カズオ・イシグロの原作を読んだのは10数年前なので、すっかりディティールを忘れていたのですが、映画が進むにつれて記憶がみるみる蘇ってきました。まず驚いたのは原作を読みながら私が勝手に思い描いていた長崎の川沿い風景と映画で実際に見るその風景が…

「刑事コロンボ 24話『白鳥の歌』」を見て、「Johnny Cash / At San Quentin(1969)」を聞く

Johnny Cash / At San Quentin(1969) 先週金曜日はジョニー・キャッシュの命日。それにちなみ翌13日土曜日にNHK BSでキャッシュが犯人役を演じた「刑事コロンボ 24話『白鳥の歌』」の再放送があったので録画して、今日見た。キャッシュは本人を彷彿とさせ…

私とプロ野球と長嶋茂雄

野球を見始めた頃の私。 昨日、長嶋茂雄が亡くなった。両親はほとんど野球に興味がなかったので、私が野球を見る端緒を作ってくれたのは父方の祖父だった。和歌山生まれでずっと大阪で生活していた祖父だが、生粋のジャイアンツファンで長嶋贔屓だった。祖父…

シェイクスピア『ジョン王』は意外とおもしろい

シェイクスピア全集32 ジョン王 (ちくま文庫) シェイクスピア作品全訳という偉業を達成された松岡和子さんの昨年の講演を聞いて、感銘を受けてから、ちびちびとシェイクスピア作品を既読を含めて読んでいます。松岡さん以外の新訳にも寄り道しているので死ぬ…

NETFLIX『舞妓さんちのまかないさん』が素敵すぎる。

www.youtube.com 仕事が立て込んでいるにもかかわらず、あまりにも魅力的なドラマで、先週Netflixで公開された全9話をすべて観てしまった。“総合演出”として是枝裕和監督がクレジットされ、各エピソードは是枝監督単独を含めた4人の監督が交代で、もしくは是…

今年最後の読書:『JAMJAM日記』(殿山泰司)

JAMJAM日記 (ちくま文庫) 「ほとんどの日本国民同様、おれも気が付いた時には、殿山さんの顔を知っていた」と本書の巻末解説で山下洋輔が書いている。山下よりずっと年下の私も同じである。物心ついた時には殿山さんの顔を知っていた。子供の心に深く…

『無想庵物語』(山本夏彦著)を読んだ。

無想庵物語 (中公文庫 や 19-19) 《芥川・谷崎に勝る博識で「日本のアナトール・フランス」と呼ばれ、文学的成功を願いながらも、無軌道な生活の末に失敗した作家、武林無想庵。その親友山本露葉の息子として、若き日にパリで生活を共にした著者、山本夏彦。…

西荻でル・クレジオの短編集と約40年ぶりに再会する。

〝金曜日に仕事で出かけた西荻で、駅近くの古本屋を覗いたらル・クレジオの短編集『ロンド その他の三面記事』の単行本を見つけて、懐かしさのあまり思わず買ってしまった。〟

西荻でル・クレジオの短編集と約40年ぶりに再会する。

〝金曜日に仕事で出かけた西荻で、駅近くの古本屋を覗いたらル・クレジオの短編集『ロンド その他の三面記事』の単行本を見つけて、懐かしさのあまり思わず買ってしまった。〟

日本経済新聞にフライフィッシングのコラム記事を書きました

www.nikkei.com

詩人のなりそこね

子どもの頃からなりたいものはたくさんあった。しかし、どれも非現実的な職業ばかりだったし、移り気だったので何かを目指して頑張るという経験には乏しかった。 幼稚園年長組だった頃、お絵かき用のスケッチブックを買ってもらった。表紙にはヨーロッパの古…

日本経済新聞に虫刺されに関するコラム記事を書きました

style.nikkei.com

「ニック・アダムスのように」を探して

1982年、このアルバムの発売直後に「ロッキン・オン」で松村雄策が賞賛の記事を書いた。それを読んで僕はまず貸しレコード屋に走って、借りたレコードをカセットに録音して何度も何度も聞いた。カセットがヘロヘロになったころ、レコードを買って何度も何度…

ついに会えなかった福永武彦教授

突如として、福永武彦マイブームがやってきた。 きっかけは、仕事で知り合った女性から自作の句集が送られてきたことである。その本の「序」を読んでみると、彼女の父親は石田波郷の信奉者で、彼女自身も波郷の句を愛好し、彼が入院した清瀬の東京療養所跡を…

安部公房の“遺作”である『カンガルー・ノート』を読了

安部公房の“遺作”である『カンガルー・ノート』を読了。 読めばわかるが、本作は作者が自らの寿命を意識しつつ「性=生」と「死」の問題をモチーフとする中編である。大きな特色としては安部作品のなかでも特筆すべき「軽妙」さだろう。脛から生えてくるかい…

日本経済新聞に「乗り物酔い」対策、予防、克服に関するコラムを書きました。

style.nikkei.com

僕らの街に(またも)モスバーガーがやってきた。

西武池袋線「清瀬駅」北口にある西友清瀬店1階にモスバーガーが6月10日オープン! 僕はこのように看板が掲げられる前、外装工事が始まってすぐに気付いていたので、FBの地域コミュニティページに投稿したら「これでモスを食べるために秋津や東所沢まで足を伸…

『ZAPPA』観てきたよ。

www.youtube.com フランク・ザッパのドキュメンタリー『ZAPPA』を観た。オープニングはビロード革命後、ソ連軍が撤退したチェコで大観衆に迎えられたライブのシーン、なんてタイムリーなんだろう。当時のチェコではザッパとはロックそのものであり、自由の象…

人生100年時代「歩く力」を向上させるサービスや商品を紹介する記事を書きました。

www.nikkei.com 先月書いた記事です。

Rover Mini Cooper

しばらくこんなクルマに乗ることになったので記念撮影。1300cc、キャブレター、マニュアルシフト。

日本経済新聞/NIKKEI STYLEにドライアイに関する健康コラムが掲載されました。

新聞紙面では2月26日(土)付けで別刷りNIKKEプラスワンに掲載。NIKKEISTYLEは本日早朝より公開されました。 style.nikkei.com

春来たりなば…

フライの雑誌 124(2022春号): 特集◉3、4、5月は春祭り 北海道から沖縄まで、毎年楽しみな春の釣りとそのとき使うフライ|『イワナをもっと増やしたい!』から15年 中村智幸さんインタビュー|島崎憲司郎さんのスタジオから 3、4、5月に欠かせない釣りと、その時…

日経にコロナ禍でも盛況の『ヌン活』について書きました。

www.nikkei.comNUNNKAT

「モンテ・クリスト伯」から「成城だより」。そして「大岡さん」と「大谷さん」

成城だより 上 (講談社文芸文庫) 昨夏に義弟が新型コロナウイルス感染症で亡くなって、諸行無常な気分に陥りながら手に取ったのは、学生時代に読んだ「モンテ・クリスト伯」だった。かつてと異なる訳者だったが、良い訳文だと感じた。そしてこの小説はほんと…

日経新聞・NIKKEI STYLEに「冷え症」の健康コラムを書きました。

日本では女性の半数以上が冷え症の悩みを持っているとか。でも、西洋医学では「冷え症」という診断項目はありません。そこで漢方専門医に冷え症治療について聞いてみました。 style.nikkei.com

稲垣栄洋「生き物の死にざま」を読んだよ。

生き物の死にざま 作者:稲垣 栄洋 草思社 Amazon 30種類の動物の「死にざま」を、雑草生態学の専門家である著者がそこはかとないペーソスを秘めた文章で淡々と叙述していくサイエンス・ノンフィクション。単行本発行時から気になっていた本だが、早々に文庫…

稲垣栄洋「生き物の死にざま」を読んだよ。

生き物の死にざま 作者:稲垣 栄洋 草思社 Amazon 30種類の動物の「死にざま」を、雑草生態学の専門家である著者がそこはかとないペーソスを秘めた文章で淡々と叙述していくサイエンス・ノンフィクション。単行本発行時から気になっていた本だが、早々に文庫…