プログレッシブな日々

混沌こそ我が墓碑銘。快楽の漸進的横滑り。

2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『風林火山』のページをめくりながら、亡くなった橋本治のことを思った

掃除をしていたら本棚から井上靖「風林火山」が落ちてきた。掃除の手を止め、ぱらぱらとめくってみる。大好きな小説である。しかし、特に時代小説、という感じを受けずに読んでいる。武田信玄と山本勘助、そして由布姫の、共犯関係のような、三角関係のよう…

「恋と革命のインドカリーの日」なので『中村屋のボース 〜インド独立運動と近代日本のアジア主義』雑感。

中村屋のボース―インド独立運動と近代日本のアジア主義 「リベラル保守」の論客としてメディアでも盛んに発言されている中島岳志氏の出世作が本書だ。過激なインド独立の闘士・ラース・ビハリ・ボースが、日本に亡命し、第二次大戦に突入していく日本の国情…

「ヨシュア・ツリー」をめぐるもやもやと納得。

先日、U2の13年ぶりの来日が決定した。しかも名盤「ヨシュア・ツリー」ツアーだという。 話題はそのチケット代の高さだ。もちろんU2はいまやレジェンド級の大物ロックミュージシャンであることは確かで、それなりのチケット料金が発生するのは仕方ない。だが…

「二十歳の原点」の高野悦子さん(と村上春樹)が今年70歳になったことに気付く

二十歳の原点 (新潮文庫) ふと、「二十歳の原点」の高野悦子さんが今年70歳になったことに気付く。 1969年に20歳で(おそらく)鉄道自殺をした立命館大学生・高野悦子さんの日記をまとめた「二十歳の原点」。いわゆる政治の季節における煩悶と挫折、そして自…