プログレッシブな日々

混沌こそ我が墓碑銘。快楽の漸進的横滑り。

2017-06-01から1ヶ月間の記事一覧

夏がくれば思い出す。死について断片的に。

幼い頃は人の手のことをいろいろ知っているものだ。手というものはいつも背の高さあたりにふらふら住んでいるからだ。マドモワゼルは気持ち悪い手をしていた。 (ウラジミール・ナボコフ『ナボコフの1ダース』より「マドモワゼルO」中西秀男訳) 前回の続き…

ビートルズ来日後、妹の死により家族は分解し、ポールの才能が爆発した。

道路でやっちまおうぜ。誰も見てないし。道路の上でやっちまおうよ。 Why Don't We Do It In The Road - Paul McCartney w/ Neil Young @ Desert Trip, Coachella, 10-15-16 昨年はビートルズ来日50周年だった。シェイスタジアムのライブ盤もCD化・映画化さ…

『ローマ法王になる日まで』を見たよ。

禁教となった日本でのイエズス会士の葛藤と悲劇を描いたスコセッシの『沈黙』を見てから4ヶ月。今度は初のイエズス会出身の現ローマ教皇フランシスコの若き日を描いた『ローマ法王になる日まで』を見に行った。 フランシスコは開明的なPopeとして、ローマ教…

『タモリと戦後ニッポン 』(講談社現代新書) 雑感 〜〝幻想の満州〟から戦後ニッポンを嗤う〜

本書はタモリの足跡を通して 戦後ニッポンの歩みを振り返るというものである。 なぜ、タモリを軸としたのか。 それはまず何より、彼が一九四五年八月二二日と 終戦のちょうど一週間後に生まれ、 その半生は戦後史と軌を一にしているからである。(本書「は…