プログレッシブな日々

混沌こそ我が墓碑銘。快楽の漸進的横滑り。

2018-08-01から1ヶ月間の記事一覧

小学館「P+D BOOKS」礼賛

夏の砦 (P+D BOOKS) 以前は文庫本で代表作の多くが入手できた戦後昭和文学の作家たちの作品がいつのまにか入手困難となっている。 文庫本というのはある程度の古典は網羅するけど、戦後の作家など中途半端に古く、忘れ去られつつある作品群を絶版にしなけれ…

失われた名盤④『C-ROCK WORK』 ZELDA

C-ROCK WORK 1987年発表の第4作。ムーンライダースの白井良明がプロデュースした前作「空色帽子の日」(1985年)は、統一感溢れるサウンド構成によるコンセプチュアル・アートとも言える傑作で本作と甲乙つけがたいわけですが、本作も元四人囃子の佐久間正…

『絶滅の人類史〜なぜ「私たち」が生き延びたのか』(更科功 著)雑感

絶滅の人類史―なぜ「私たち」が生き延びたのか (NHK出版新書) 人間は万物の中で最もすぐれているものとされていた時代にはしばしば「万物の霊長」という言葉が使われた。最近はあまり使う人がいなくなったが、本書を読むとその理由がある程度理解できる。 …

S・アンダーソン『ワインズバーグ、オハイオ』新訳版を読んでみた。

ワインズバーグ、オハイオ (新潮文庫) 先日立ち寄った本屋で新訳を見つけたので買ってみた。かなり以前、小島信夫訳で読んだ記憶があるのだが、「なんだかアメリカの小島信夫みたいな小説だな」という印象のかけらだけが残った。アンダーソンはアメリカ20世…