2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧
彼女を追い越してから、彼は、単純にも、どこかの店先きに立ちどまっていさえすればいいのだと考えた。そうすれば、彼女はきっとそばへ来るはずだ。ところが、彼女はそんなことはしなかった。そのままどんどん歩いていった。 (フィリップ『朝のコント』よ…
桜のしたに人あまたつどひ居ぬ なにをして遊ぶならむ。 われも桜の木の下に立ちてみたれども わが心はつめたくして 花びらの散りて落つるにも涙こぼるるのみ。 いとほしや いま春の日まひるどき あながちに悲しきものをみつめたる我にしもあらぬを。 (萩原…
喜びに満ちた、自然のままの、どこまでもつづく川の広がり。他のなにものにもかえられない、マスたちが泳ぐ美しい川。きみやぼくの秘密の釣り場、カーティス・クリーク。きみやぼくの人生にそんな秘密の川、カーティス・クリークはどのくらいあるだろうか。 …
2011年3月11日。 私は朝早くJR常磐線特急に乗って、取材先の某研究所がある茨城県土浦市に出かけた。現地は駅からかなり離れた筑波山麓である。駅前でレンタカーを借りた。 午前中にカメラマンによる屋外撮影を終え、昼食後に研究所の所長さんやスタッフにお…
ちょうど10年前の今日の日記を発掘して面白かったので公開。ややお下品です。 ========================================================= 昼過ぎに都心での打ち合わせを終えると、まだ昼飯を食べていないことに気づいた。独りである。すでにランチタイムと…