プログレッシブな日々

混沌こそ我が墓碑銘。快楽の漸進的横滑り。

2015-01-01から1年間の記事一覧

ふと『ラストサムライ--The Last Samurai--』(2003 米国)のことを思い出してしまった。

『ラストサムライ--The Last Samurai--』(2003 米国) 先日、TVニュースで映画のプロモーションのために来日したトム・クルーズが、新宿歌舞伎町で赤絨毯の上を笑顔を振りまき歩いている姿を見た。その風景が醸し出すユーモラスなぎこちなさから、ふと彼が…

飯尾憲士『自決—森近衛師団長斬殺事件』再読

Amazon.co.jp: 自決―森近衛師団長斬殺事件 (光人社NF文庫): 飯尾 憲士: 本 映画『日本のいちばん長い日』のリメイク版が話題だが、その重要エピソードである宮城事件における近衛師団長惨殺に残る謎を、犯人と師弟関係にあった “当事者”たる著者が徹底的に…

戦後70年らしい。

今年は戦後70年らしい。数字の切りが良ければ良いってもんでもなかろうに。この時期になればメディアは戦争に関する話題が増えてくる。今朝のNHKニュースで世論調査の結果「原爆投下日を7割が不正解」というニュースが流れていて、へえ、と思った。原爆が投…

1968年

Miles Davis “Filles De Kilimanjaro” (1968) 一九六八年は、多くの変化に満ちた年だった。だが、オレの音楽に起こった変化ほどエキサイティングなものはなかったし、そこらじゅうで聴かれる音楽も、信じられないようなものばかりだった。(中略)音楽の世界…

おれは間違って生まれた〜『樅ノ木は残った』雑感

——おれは間違って生まれた。 と甲斐は心の中で呟いた。けものを狩り、木を伐り、雪に埋もれた山の中で、寝袋にもぐって眠り、一人でこういう食事をする。そして欲しくなれば、ふじこやなをこのような娘たちを掠って、藁堆や馬草の中で思うままに寝る。それが…

マナーあるいは罪。あるいはどうでもいいこと。

ソドムとゴモラの叫びは大きくまたその罪は非常に重いので 私はいま下って 私に届いた叫びのとおりにすべて彼等がおこなっているかどうかを見てそれを知ろう(大島弓子『わがソドムへようこそ』)すべてはどうでもよいことだったゆえに、父はどこへ行っても…

倭国から日本へ。岡田英弘著『倭国』より抜粋。

僕は古代史に関しては、中国・東洋史のパースペクティブで古代の日本列島を捉えている岡田英弘先生の学説にもっとも納得を感じている。『日本書紀』の周囲をぐるぐる旋回しているだけの「日本史」プロパー学者の説は、どれもファンタジーとしか思えないから…

昭和の人

私はヤマメの五寸、六寸以上のものを釣り上げると、必ず胸の動悸を覚るのだ。これはどういうわけのものだろう。ごとんごとんと胸が鳴る。胸の高鳴りである。大きなやつを釣りあげて魚籃に入れ、次の餌を差そうとしても興奮のため手を震えて餌が差せないのだ…

Aujourd'hui, dans l'histoire...(歴史の中へ)

THE BEATLES 人間、或る程度馬齢を重ねてくると自分の記憶が歴史になっていくやるせなさを味わう。白黒テレビとか、ビートルズとか、全共闘とか。僕は大学のフランス文学科というところを卒業したが、今はその名はない。「フランス語圏文化学科」というのだ…

Rock'n'roll

言葉ほど不確かなコミュニケーション手段はない、といったのはデビッド・ボウイだったか。俺の言うことを信じるな、自分の頭で考えろ、と言ったのはジョン・レノンだったか。ロック音楽を通して、この40年、言葉を相対化する術を学んだ。だからどうしたとい…

『バルカン超特急』(The Lady Vanishes/監督:アルフレッド・ヒッチコック)を観てみたよ!

僕はそれほど映画を観る人間ではないのだが、先日、『オリエント急行殺人事件』を観て感動した勢いを借りて、鉄道ミステリー映画の古典であるこの作品を図書館で借りてきた。原題は「消えた淑女」だが、邦題は鉄道を全面に出しているところが面白い。バルカ…

栄子の夢

連続テレビ小説「マッサン」で演技派女優としてのポジションを確立した感のある小池栄子。僕はかなり以前からその存在感が気になっていて、自分でも何故だろうとふしぎだったんだけど、「マッサン」で演じたハナちゃんの役柄をみているうちに得心がいった。…

9年前の日記

9年前の明日(6/5)の日記を発掘した。今の自分より三割増しで悲観的な感じが興味深い。========================== コレデオシマイ 美しい友よコレデオシマイ たった一人の友よ(THE DOORS「THE END」) 村上世彰氏がインサイダ…

余丁町散人さんのこと。

Letter from Yochomachi 昨年の6月、一人のご隠居ブロガーが世を去った。新宿区余丁町に棲まわれていたその方のブログネームを「余丁町散人」と言う。熱心なMacユーザーで初期にはiBlog という珍しいアプリケーションでブログを構築されていた。 同じ余丁町…

映画「オリエント急行殺人事件」(1974年)を久しぶりに見たよ

図書館にあったDVDを借りて、十数年ぶりに1974年に製作されたこの映画を見た。通算で4回目だと思う。クリスティの原作も大好きだが、個人的にはこのシドニー・ルメット監督作品を見て、 “Murder on the Orient Express”(原題)という作品のほんとうの面…

フライマンとしての初心にかえりたい。

フライフィッシングを始めた頃、何気に洋書(アメリカ)の入門書を買ってみた。今は亡き銀座のイエナ書店だったと思う。案の定、テクニカルな説明は、日本の入門書に比べて、ひじょうに丁寧に書かれており、輪っかになったナイロンリーダーを絡みなく解く方…

日記、のようなもの

神秘 アーティスト: ピンク・フロイド 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン 発売日: 2014/01/29 メディア: CD この商品を含むブログを見る ここにいる僕のことを想ってくれるなんてきみはなんて思いやりがあるんだろうそして 君にはとても感謝…

【一ノ関圭 の新作と『らんぷの下 (小学館文庫) 』レビュー】

鼻紙写楽 (ビッグコミックススペシャル) 作者: 一ノ関圭 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2015/03/20 メディア: コミック この商品を含むブログ (1件) を見る このあいだ、3月に伝説の漫画家・一ノ関圭の待望の単行本『鼻紙写楽』が出版されていたことに気…

`THE CANTERBURY TALES`、デイヴ・シンクレア&ジミー・ヘイスティングスLIVE雑感

昨夜、吉祥寺“Manda-La2” において開催された`THE CANTERBURY TALES`、デイヴ・シンクレア(key)とジミー・ヘイスティングス(fl.&sax )のライブを見に行きました。プログレの中でもマニアックなファンが多い英国カンタベリーシーンの最重要人物と目される…

【麻薬的誘惑に満ちた歴史エッセイ 〜殿様の通信簿 (新潮文庫) 磯田 道史〜読後雑感】

●Amazon.jp 殿様の通信簿 (新潮文庫) http://www.amazon.co.jp/dp/4101358710 近年はメディアにも引っ張りだこの歴史学者の磯田道史さん。この世に歴史学者は数多くいるが、この人ほど「歴史を生き」ている人は数少ない。出世作の「武士の家計簿」からして、…

【The Times They Are a-Changin'】

写真上は25歳の時から昨年まで使っていたシステム手帳。今年から下の手帳に替えてみた。システム手帳を使っていたのは、アドレス帳やリスト類の補充がやりやすいことと、打合せ&取材メモがスケジュールと一体化できるなどのメリットがあったから。使い始め…

【人生における老化あるいは廊下は走るな】

人は33歳までに音楽的嗜好が固まり、新しい音楽への出会いを止める傾向がある、という研究結果が話題に - amassamass.jp リンク先の記事「人は33歳までに音楽的嗜好が固まり、新しい音楽への出会いを止める」。自分の来し方、音楽遍歴を振り返っても確かにそ…

【第47回衆議院総選挙 個人的始末と雑感】

2014年12月20日 14:23 記 公開 友達 知り合い以外の友達 自分のみ カスタム 親しい友達 コピーライター(フリーランス) すべてのリストを見る... 知り合い 戻る ※タイトルを変更し、少し加筆・修正しました。(18:30) 第47回衆議院総選挙から1週間が経っ…