プログレッシブな日々

混沌こそ我が墓碑銘。快楽の漸進的横滑り。

音楽

「それまでとは何もかもが違っていた」〜ビートルズ史観というもの

本日、6月9日はロックの日なんだそそうだ。 もちろんこんな語呂合わせは日本でしか通用しない茶番だし、だから何?ってなものである。 そもそも日本にロックなんてあるの?という立場もあり、私は比較的その立場に近い。 ではロックとは何かと言えば、 1950…

6月の空。

Joy Division - Love Will Tear Us Apart (best audio) いつもの仕事がつらくなり やる気が減退しているとき 怒りがつのっても 感情が高ぶらないとき 僕たちは方法を変えて 違ったやりかたを試すようになる そんなとき愛はまたしても 僕たちを引き裂くんだ …

Day After Day

Badfinger - Day After Day (1971 - HQ - Restored) 今日はなんとこのブログの1周年記念日。この1年の間にのべ1万人を超える方々が見に来てくれた。ありがとう。一日だいたい30〜50アクセスといったところ。昔やっていたブログは1日で200〜700アクセスぐらい…

Indoor Games

「この永い年月のあいだ、どうして私以外の誰ひとり、中に入れてくれといって来なかったのです?」 いのちの火が消えかけていた。うすれていく意識を呼び戻すかのように門番がどなった。 「ほかの誰ひとり、ここには入れない。この門は、おまえひとりのため…

ポール・マッカートニーのベスト盤発売に寄せて

ポール・マッカートニーがまたベストアルバムを出すそうだ。またと言っても前回出したのは2001年だから、すでに15年前か。 その「Wingspan」と名付けられたベストアルバムはウイングス限定だったので、1989年以降のソロ名義の楽曲は、今回がベストアルバム初…

『ラバー・ソウル』の謎

「ビートルズの最高傑作は?」と訊かれても答えようがないが、「ビートルズで一番好きな作品は?」と訊かれたら、おそらく『ラバー・ソウル』と即答する。ロックンロールが初めて「内省」という視点を獲得した名盤だ。いわゆるリアルタイムで聴いていたビー…

我が心のローリング・ストーンズ。

おれは激しい嵐と稲光の中で生まれた。 叩き付ける雨の中でママに向かって泣きわめいた。 でも、んなことはどうでもいい。屁みたいな話。 うん、もう気にしちゃいないさ。 ジャンピング・ジャック・フラッシュ、屁っこき野郎。 (ローリング・ストーンズ『Ju…

Shuffle My Life.

iPodをシャッフルモードで聞いていると、次に何の曲が出てくるかわからないところがいい。 今日の場合、「悪魔を憐れむ歌」(ストーンズ)→ビゼー「アルルの女」より”メヌエット“→「ナイフ」(ジェネシス)→「トルコ風ブルーロンド」(デイブ・ブルーベック…

ディビッド・ボウイの死に方

■好き!好き!「グラムロック」in 英語塾 僕と同じ1960年代初頭生まれで、特に女性の場合は、洋楽ロックに目覚めたキッカケが、1972年頃からのグラムロック(特にT.REX)・ムーブメント、もしくは1974年頃からのBCR・クイーンの二大アイドルグループのどちら…

「朝露」と「渚にて」

冬至が近いというのに、季節外れの朝露の話である。 先日、カースティ・マッコールの命日に「They Don’t Know」が自分にとって重要な曲であることを書いた( 追憶のカースティ・マッコール - プログレッシブな日々 )が、同じぐらい自分にとって大きな意味…

追憶のカースティ・マッコール

12月になると聴きたくなる曲の一つが、ザ・ポーグス『フェアリーテイル・オブ・ニュー・ヨーク』(下記リンク)。この曲でポーグスのシェイン・マクガウアンとデュエットしているのがカースティ・マッコールだ。この時期にこの曲を聴きたくなるのは、クリス…

ヒットチャート嫌いだった私のオールタイムベスト20

10代の頃、ヒットチャートっていうのが大嫌いでした。 いや別に「音楽の商業主義を排す」….. なんていう子どもっぽいお題目を唱えるつもりはありません。 商業主義、大いに結構じゃないですか! 優れたミュージシャンはどんどん儲けるべきです。 むしろ60〜7…

日本人は笑えない

三十年間で何が失われたかと言えば、まともな嫌悪感である。(中略)〈良識〉というとおとなしくきこえるが、その元になるのも、嫌悪感である。 (小林信彦「平成つれづれ草」『日本人は笑わない』所収) 上の引用はバブル崩壊後の日本社会の有り様に触れて…

映画『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』雑感

8/1公開!映画『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』公式サイト 先週、ブライアン・ウィルソンの伝記映画『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』を見た。予想通りの、いや予想以上に素晴らしい作品であった。しかしこの映画が純粋に一人の男を主人公とし…

『Roger Waters The Wall』に圧倒される

昨日9月29日一日のみの上映(しかも国内4箇所のみ)という「Roger Waters The Wall」を見にいった。FBフレンドからの情報で、当日の昼に上映があるのを知り、仕事を慌てて片付けてから、上映会場であるイオン板橋店に駆けつけた。平日一日のみの上映。う〜ん…

風に語りて(I Talk To the Wind)

生真面目な男が、遅れてきた男に言った。 「お前はどこにいたんだ?」 「僕はここにいたし、僕はあそこにいたし 、 そしてその真ん中あたりにもいたのさ」 僕は風に話しかけた。言葉はみんな運び去られてしまう。 僕は風に話しかけた。 風は聞いてはいない…

1968年

Miles Davis “Filles De Kilimanjaro” (1968) 一九六八年は、多くの変化に満ちた年だった。だが、オレの音楽に起こった変化ほどエキサイティングなものはなかったし、そこらじゅうで聴かれる音楽も、信じられないようなものばかりだった。(中略)音楽の世界…

Rock'n'roll

言葉ほど不確かなコミュニケーション手段はない、といったのはデビッド・ボウイだったか。俺の言うことを信じるな、自分の頭で考えろ、と言ったのはジョン・レノンだったか。ロック音楽を通して、この40年、言葉を相対化する術を学んだ。だからどうしたとい…

日記、のようなもの

神秘 アーティスト: ピンク・フロイド 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン 発売日: 2014/01/29 メディア: CD この商品を含むブログを見る ここにいる僕のことを想ってくれるなんてきみはなんて思いやりがあるんだろうそして 君にはとても感謝…

`THE CANTERBURY TALES`、デイヴ・シンクレア&ジミー・ヘイスティングスLIVE雑感

昨夜、吉祥寺“Manda-La2” において開催された`THE CANTERBURY TALES`、デイヴ・シンクレア(key)とジミー・ヘイスティングス(fl.&sax )のライブを見に行きました。プログレの中でもマニアックなファンが多い英国カンタベリーシーンの最重要人物と目される…

【人生における老化あるいは廊下は走るな】

人は33歳までに音楽的嗜好が固まり、新しい音楽への出会いを止める傾向がある、という研究結果が話題に - amassamass.jp リンク先の記事「人は33歳までに音楽的嗜好が固まり、新しい音楽への出会いを止める」。自分の来し方、音楽遍歴を振り返っても確かにそ…