プログレッシブな日々

混沌こそ我が墓碑銘。快楽の漸進的横滑り。

秘密の川へ。

フライフィッシング教書 初心者から上級者までの戦略と詐術のために

喜びに満ちた、自然のままの、どこまでもつづく川の広がり。他のなにものにもかえられない、マスたちが泳ぐ美しい川。きみやぼくの秘密の釣り場、カーティス・クリーク。きみやぼくの人生にそんな秘密の川、カーティス・クリークはどのくらいあるだろうか。

カーティス・クリークは自分で発見するものだ。雑誌も本も、ぼくら自身のカーティス・クリークをけっして教えてくれない。自分の足で、自分のフライロッドでみつけるしかないカーティス・クリーク。しかし、そんな川がほんとうにあるのだろうか。

(S・アンダーソン/田渕義雄『フライフィッシング教書』)

 


実はカーティス・クリーク(Curtis Creek)=秘密の川、という隠語表現は好みではない。が、そのことを今は問題としない。そして私にもカーティス・クリークは、存在する。


それはたぶん場所ではなくて、時間軸の上に存在するものだと思う。フライフィッシングとはそういう釣りだ。ここに掲げた米国人と日本人の共著本は、フライフィッシングで一人ひとりがカーティス・クリークを見つけるための最良の入門書といえる。

自分の中にしか流れない川=時間というものがある。それをどれだけ自覚できるかが、初老釣り師としての私の課題。

それは残り時間との闘いでもある。Curtisとはあなたであり、私でもある。Curtis Creek。