プログレッシブな日々

混沌こそ我が墓碑銘。快楽の漸進的横滑り。

My Bloody Valentine

今週のお題「バレンタインデー」

 


David Bowie - Valentine's Day

ヴァレンタインは語る

一番に誰を狙っているのかを

教師たち、サッカーのスターたち

そのちっぽけな顔で

その痩せこけた手で

ヴァレンタインは語っている

彼には何か言いたいことがあるんだ

今日はヴァレンタイン・デー、彼の日だということを
David Bowie – Valentine’s Dayより)

 

  今年も何事もなくヴァレンタイン・デーが過ぎた。


 フランス・パリから南に200kmあたりにセント・ヴァレンタインという村がある。15世紀の聖職者、聖ヴァレンタインことニコラ・ヴァレンタインは、この村の貧しい男女の結婚式を無料で執り行った。しかし、一方彼は魔女裁判にかかわり、魔女と認定された多くの若い女を死に追いやったという話もまた伝わっている。どちらも事実かどうかは知らない。そのニコラ・ヴァレンタインの誕生日が2月14日であった……まだいくらでも続けられるが、信じちゃう人がいるかもなので、一応、ここで言っておくと、この話はでたらめです。以下に、ちょっと重苦しい話を書くので、まず、精神のバランスを取るためのホラを吹かせていただきました。

 ヴァレンタイン・デーというのは、アル・カポネの時代から血腥い事件に縁がある。上のボウイの曲は米国・ノーザン・イリノイ大学で2008年2月14日に起こった銃乱射事件に触発されて作られたらしい。

 

 24年前のヴァレンタイン・デー、わが家から2キロちょっとのところにある交番のお巡りさんが拳銃を奪われ、殺された。まさかあんなところで….と思える交差点の角にある周囲が開けた交番である。(参考:東村山署旭が丘派出所警察官殺害事件)。犠牲になった42歳のお巡りさんは確か小さい女の子の父親だったと思う。

  この殺人・拳銃強奪事件事件は、警視庁の三大未解決事件のひとつだそうで、2007年2月14日に時効を迎えた。奪われた実弾5発入りの拳銃はまだ見つかっておらず、こちらの捜索は現在も続いているらしい。ちなみに他の二つの未解決事件は、世田谷の一家殺害事件、八王子スーパー「ナンペイ」店員射殺事件だ。どちらも思うだに痛ましい事件だ。スーパー「ナンペイ」は私が八王子に住んでいた30年ほど前によく買い物をした店だ。三大事件のうち、2カ所に縁があるというのは、やはりいい気分ではない。

  清瀬の交番警察官殺害に関しては、当初、確かガンマニアの犯行が疑われていた。また数年後、一連のオウム真理教事件が起こった時、オウム信者の仕業ではと噂されたこともあった。実は僕は今でもちょっとそう疑っているところがある。オウムのリンチ事件の被害者の一人が清瀬市内に住んでいた。また、最近逮捕された逃亡犯も所沢周辺に潜んでいた時期がある。などなそ、オウムはこの辺りに遅延がアルコとは確かだ。一連のオウム真理教の事件は、なお闇の部分多くある。村井幹部殺害。警察庁長官銃撃。どちらも照らされることのない闇なのであろうか。その輪郭が月影のシルエットの様に、一瞬浮かんだような気がしたこともあったのだが。警察や司法がそうした闇を照らすことは、難しいのだろう。


 事件のあった交番は、その後、新築されて以前の面影のない立派な建物に変わった。車や自転車でその交番がある交差点で信号待ちするたびに、殺されたお巡りさんの無念(そしてついに犯人を逮捕できなかった同僚の無念)を思う。当時小さかった娘さんもすでに30代であろうか。