失われた名盤① 『創世記(From Genesis to Revelation)』 Genesis
個人的な名盤について語るコーナーを突発的に始めます。
第1回目は『創世記』(From Genesis to Revelation)。
夏の疲れが出てきた頃に聞きたくなるのが、このジェネシスのファーストアルバムです。しかし、彼らの歴史の中では初めてプログレ的なアプローチを行ったセカンドアルバムの「トレスパス」が、実質的なファーストアルバム扱いになっており、このアルバムは「まあ、若気の至りだよね」って語られがちな気がしています。
レコードに針を落とすと、フォークロックというか、ビージーズというか、勘違いR&Bというか…..トニー・バンクスのピアノはわりと達者だけど、アンソニー・フィリップスのエレキギターはどヘタで、リズムセクションは迫力不足でショボイ感じ。でも、ピーター・ガブリエルはすでに個性を確立しつつあり、個人的にはけっこうお気に入りの作品です。
というのも僕はジェネシスファンと言うより、ピーター・ガブリエルファンであるからで、このアルバムは彼のプログレ的な虚飾を排したR&B好きとしての素の歌が聴けるという点でポイント高いのではないかと思っています。アナログのライナーノートでも伊藤セーソク先生がその点を力説していたような…。またオリジナルジャケットは真っ黒なまったく見栄えがしないものだったが、この日本盤では後年のプログレ時代のコスプレ・ピーターの写真を使っていて、なかなかよろしい。さらにこの作品の日本盤がすごいところは全曲に邦題が付いているところ。それもなかなか味があるタイトル揃い。具体的には以下をご参照ください。上の写真を見てもらうと分かるとおり、僕が持っている日本盤LPのアルバムタイトルは『創世記 2』となっており、おそらくシングル発売の曲を追加収録(最後の4曲)したから、オリジナルと区別する意味で「2」としたのだと思います。ちなみに僕が一番好きな曲は「ここは中途半端 - In Limbo 」。
『創世記2』 ジェネシス
- なみだが蜜に変わるとき - Where the Sour Turns to Sweet
- 天地創造は今 - In the Beginning
- 暖炉のそばで - Fireside Song
- エデンの蛇 - The Serpent
- 僕はいけないことを? - Am I Very Wrong?
- 荒野に呼ばわる声 - In the Wilderness
- 孤独の征服者 - The Conqueror
- 私一人の自由 - In Hiding
- その日のために夢を持とう - One Day
- 心の窓に見えるものは - Window
- ここは中途半端 - In Limbo
- 死せる太陽 - Silent Sun
- 安息の地 - A Place to Call My Own
- 死せる太陽(シングル・ヴァージョン) - The Silent Sun
- 孤独の影 - That's Me
- 冬の物語 - A Winter's Tale
- 片眼の猟犬 - One Eyed Hound