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プログレッシブな日々

混沌こそ我が墓碑銘。快楽の漸進的横滑り。

『海街diary 8 恋と巡礼』読了

海街diary 8 恋と巡礼 (フラワーコミックス)

 


1年以上ぶりの第8巻が発売されたので、早速購入して読了。

『恋と巡礼』....実際に巡礼する場面が出てくるのだが、さまざまな想像を掻き立てる魅惑的なサブタイトルである。
 
本巻ではこれまでもっぱらお笑い担当で脇に徹していた三女のチカが新しいヘアスタイル(笑)とともに、突如主役に浮上している。
鎌倉を舞台に繰り広げられるほの明るく平和な日常とその裏側にある不倫、離別、闘病、死…が織りなす淡色のタペストリがこの作品の持ち味だが、
前巻の終わりで示唆された新しい生命の誕生が登場人物と物語に静かだけど重い波を呼び起こす…。

個人的に前巻は物語の収束に向けた〝つなぎ〟的な1冊と感じられたのだが、今回は、4姉妹それぞれの収束への道筋が浮かび上がってくる密度の高い1巻となっている。生きることの喜びと悲しさ、望みとあきらめ。そこかしこにグッと来るセリフが散りばめられ、なんかいろいろ泣けますわ。

連載開始からはもう10年以上経っているが、物語の中の時間経過は2年あまり。もともとしっかりしていたが中学生のすずの変貌は眩しい。この年頃だと、2年あれば、ここまで成長することができるのだな。おじさんはうらやましいよ。
 
しかし次巻はまたもや1年以上先になるのか….まあ、『ヒストリエ』よりはマシだけど。