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プログレッシブな日々

混沌こそ我が墓碑銘。快楽の漸進的横滑り。

黄門様に著作権はあるのか?

 今回の五輪エンブレム騒動のおかげで、あらためて著作権の重要性が広く知れ渡ることになったんではないでしょうか? たとえば SNSやブログにネットで拾った画像を使用することはどのようなリスクがあるのか、多くの人が考えるいいキッカケになったと思います。

 

著作権は、パクリやコピペみたいなわかりやすいものだけではなく、肖像権やら、著作隣接権やら、なかなか微妙でわかりにくい問題も多くはらんでいます。

 

そのため、デザイン制作における著作権というのはいろいろ煩雑な手続きが必要で、大きな会社だと専門のスタッフがいたりするのだけれど、小さなプロダクションですと、クリエーター自身がこまごまとした著作権処理を担わなければならなくなるわけです。

たとえば私は以前、水戸黄門を題材にしたイラストを使用するポスターを企画したことがあって、そのときは著作権管理を担う公的団体の相談員の方にいろいろとアドバイスを仰ぎました。

2回に分けて電話相談した内容をまとめると以下の通り。

水戸黄門徳川光圀という歴史的な人物であるし、またフィクションの人物としても江戸後期の講談に由来する特に著作者を限定できないキャラクターなので、それ自体で著作権を問われることはない。しかしイラストがTVドラマで演じる俳優に酷似していたり、テレビドラマオリジナルの登場人物(風車の矢七やうっかり八兵衛かげろうお銀など)を描く際は、番組著作権者らの許諾が必要だろう….そうでなくても念のためTV局や番組制作会社の確認もとっておくに越したことはない」

…というわけで、まずイラストの登場人物は水戸黄門と助さん&格さんにとどめ、人物の顔の表情も歴代俳優に似すぎないようイラストレーターに頼みました。で、やはり念には念を入れて….イラストができあがり、ポスターデザイン案ができたあとに、TBS「水戸黄門」の番組制作会社に菓子折もって挨拶に行くことに。事前に事情を話しておいた先方の担当者にデザイン案を見せると「ほ〜っ!」って感じでわりと喜んでもらえ、すんなり「問題ありません!」との回答をいただくことができました。調子に乗って、子どもの頃の私が時代劇好きな祖父母と一緒に「水戸黄門」を見ることが大きな楽しみであり、如何にその後の自分の心の糧になったかを熱弁したのですが、そちらのほうは、まあ、ちょっと苦笑いされていたような気もします。

で、最終的にここまでの経緯を文書化して、クライアント担当者に安心してもらい、その後の制作・印刷プロセスを心安らかかつスムーズに進めることができたわけです。正直、本来の仕事のかたわらでやるべきことなので、かなり面倒なことが多いんですが、デザインも文書もすべて手書きだった昔に比べれば、デジタル時代の今はいろんな意味でこの仕事が楽になったことも事実。パソコンに向かっていれば仕事が進む.....そんなアームチェア・クリエーターゆえに、かえって面倒な著作権処理を安易に考えてしまうフシもあるのかもしれません。

自戒を込めて。

水戸黄門名作選 その1 [DVD]

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