ポール・マッカートニーのベスト盤発売に寄せて
新しい『Pure McCartney』の選曲はポール本人の主導で行われたらしく、発売に際してこんなコメントが発せられている。
「僕と僕のチームがこのベスト・アルバムを選曲するにあたって考えたのは、ただただ楽しんで聴けるものにしよう、ということだけだった。たとえば、長旅の車中、自宅でくつろぎたい晩、または友人とのパーティーなんかでね。だから僕たちは知恵を絞って、僕の長く曲がりくねったキャリアのさまざまな時期から、多種多様な選曲リストを出し合った。キャリアという言葉はちょっと相応しくないかな。
なぜなら僕としては、“仕事"をしてきたというよりも、音楽の冒険を続けてきたという感じだから。」
個人的にはまず、ポールの21世紀最高傑作で、ビートルズ後のオールタイムでもベスト3に入れたい『Chaos and Creation in the Back Yard』から3曲も収録されているのを歓迎したい。「English Tea」「Fine Line」、そして涙チョチョ切れの大名曲「Too Much Rain」。どうせならその勢いで「Anyway」も入っていたら.....この『Chaos and Creation in the Back Yard』の素晴らしさについてはいつかまとめてみたいが、なにから話していいのかわからずなかなか手がつけられない。ポール爺の来日公演などいまさら行く気はないけれど、もしこのアルバム主体のコンサートを小さなホールでやるのだったら、万難を排してでも見に行きたい。
世評で無視されがちな『Wings Wild Life』からもしっかり選曲されているところも喜ばしい。僕はとりつくろった『RAM』なんかよりだんぜん〝Pure〟な『Wings Wild Life』が好きだ。
Paul McCartney - Too Much Rain (Live Acoustic at BBC Radio 2)
何時聴いても、何度聞いても、どのヴァージョンを聴いても。泣ける名曲!