プログレッシブな日々

混沌こそ我が墓碑銘。快楽の漸進的横滑り。

身近な死。

真空管アンプで聴く『レッド・ツェッペリン/天国への階段』 まもなく6月も終わり。今年も半分が過ぎ去った。実に早いものだ。そして年々、確実に早く感じるようになる。 毎年7月になると小学校4年生の時に出会った身近な死を思い出す。それは、サッカー部の…

私説・トンデモ日本古代史

『壬申の乱 (戦争の日本史) 』倉本 一宏 著 持統天皇を乱の首謀者とするユニークな「壬申の乱」像を描く。異論はないではないが、論証を含めなかなか注目すべき一説。面白い! ところで日本の建国はいつだろう 僕は日本という国ができたのは、壬申の乱によっ…

「それまでとは何もかもが違っていた」〜ビートルズ史観というもの

本日、6月9日はロックの日なんだそそうだ。 もちろんこんな語呂合わせは日本でしか通用しない茶番だし、だから何?ってなものである。 そもそも日本にロックなんてあるの?という立場もあり、私は比較的その立場に近い。 ではロックとは何かと言えば、 1950…

6月の空。

Joy Division - Love Will Tear Us Apart (best audio) いつもの仕事がつらくなり やる気が減退しているとき 怒りがつのっても 感情が高ぶらないとき 僕たちは方法を変えて 違ったやりかたを試すようになる そんなとき愛はまたしても 僕たちを引き裂くんだ …

書く技術。〜清水幾太郎と本多勝一の文章読本をめぐって〜

話すことと書くこととの間には、大きな距たりがあるのです。だって、そうではありませんか。日本中──というより世界中の人間が朝から晩まで立派に(?)喋りまくっているのに、文章らしい文章が書ける人は、数えるほどしかいないのですから。(中略)文章を…

Day After Day

Badfinger - Day After Day (1971 - HQ - Restored) 今日はなんとこのブログの1周年記念日。この1年の間にのべ1万人を超える方々が見に来てくれた。ありがとう。一日だいたい30〜50アクセスといったところ。昔やっていたブログは1日で200〜700アクセスぐらい…

Indoor Games

「この永い年月のあいだ、どうして私以外の誰ひとり、中に入れてくれといって来なかったのです?」 いのちの火が消えかけていた。うすれていく意識を呼び戻すかのように門番がどなった。 「ほかの誰ひとり、ここには入れない。この門は、おまえひとりのため…

フィリピンの子供たち。

神さまの祝福がいつもきみにあるといい きみのねがいごとがすべて実現するといい きみがすることがいつも誰かのためになればいい 星までとどく階段をつくればいい そして、一段一段のぼっていき きみがいつまでも若ければいいのに いつまでも、いつまでも若…

タイプについて。

個人というものを出発点に考えていくと、我々は知らず知らずのうちにひとつのタイプを創りあげてしまうことになる。一方タイプというところから考えていくと今度は何も創りだせない──まったく何ひとつ。 (スコット・フィッツジェラルド『リッチ・ボーイ(金…

「エライ人ぞな」。

今日の通りすがり。鶯谷のホテル街に囲まれ佇む「子規庵」。 人間は最も少ない報酬で最も多く働く人ほどエライ人ぞな。一の報酬で十の働きをする人は百の報酬で百の働きをする人よりエライのぞな。入の多寡は人の尊卑でない事くらゐ分つとろがな。人は友を撰…

熊本のOさんと関サバ

熊本のOさんは年上の友人だ。 いや、もともとはお客さん(当時、広報室長)であって、しかも20近く年齢が離れているから、気安く友人なんていっては失礼だ。 それにもう10年近く連絡をとっていない。 しかし、ずっとOさんには友人と呼びたくなる親しみを感じ…

「クイズ・タイムショック」の田宮二郎のこと。

blogos.com いつも自分たちがいる場所に、一般の方が来た時のとまどいや、不慣れなことを、田宮二郎さんだったら、端正に、人間と人間として向き合って接せられたと思うのだけれども、いつしか、芸人さんは、「いじる」ことで笑いを成立させるようになった。…

ポール・マッカートニーのベスト盤発売に寄せて

ポール・マッカートニーがまたベストアルバムを出すそうだ。またと言っても前回出したのは2001年だから、すでに15年前か。 その「Wingspan」と名付けられたベストアルバムはウイングス限定だったので、1989年以降のソロ名義の楽曲は、今回がベストアルバム初…

朝のコント/春の呟き

彼女を追い越してから、彼は、単純にも、どこかの店先きに立ちどまっていさえすればいいのだと考えた。そうすれば、彼女はきっとそばへ来るはずだ。ところが、彼女はそんなことはしなかった。そのままどんどん歩いていった。 (フィリップ『朝のコント』よ…

さくら嫌い。

桜のしたに人あまたつどひ居ぬ なにをして遊ぶならむ。 われも桜の木の下に立ちてみたれども わが心はつめたくして 花びらの散りて落つるにも涙こぼるるのみ。 いとほしや いま春の日まひるどき あながちに悲しきものをみつめたる我にしもあらぬを。 (萩原…

秘密の川へ。

喜びに満ちた、自然のままの、どこまでもつづく川の広がり。他のなにものにもかえられない、マスたちが泳ぐ美しい川。きみやぼくの秘密の釣り場、カーティス・クリーク。きみやぼくの人生にそんな秘密の川、カーティス・クリークはどのくらいあるだろうか。 …

2011年3月11日のこと。

2011年3月11日。 私は朝早くJR常磐線特急に乗って、取材先の某研究所がある茨城県土浦市に出かけた。現地は駅からかなり離れた筑波山麓である。駅前でレンタカーを借りた。 午前中にカメラマンによる屋外撮影を終え、昼食後に研究所の所長さんやスタッフにお…

「アンナミラーズ」とぼく〜10年前の日記より〜

ちょうど10年前の今日の日記を発掘して面白かったので公開。ややお下品です。 ========================================================= 昼過ぎに都心での打ち合わせを終えると、まだ昼飯を食べていないことに気づいた。独りである。すでにランチタイムと…

『ラバー・ソウル』の謎

「ビートルズの最高傑作は?」と訊かれても答えようがないが、「ビートルズで一番好きな作品は?」と訊かれたら、おそらく『ラバー・ソウル』と即答する。ロックンロールが初めて「内省」という視点を獲得した名盤だ。いわゆるリアルタイムで聴いていたビー…

学問のすゝめ

昨年の今頃は自分の子どもたちがダブル受験でアタフタしていたが、今年は知り合いの子どもたちの受験の有り様を穏やかな気持ちで眺めている。それぞれの進路を模索する若い人たちの未来が、受験のみで決まるわけではないことは半世紀生きていればわかる。し…

My Bloody Valentine

今週のお題「バレンタインデー」 David Bowie - Valentine's Day ヴァレンタインは語る 一番に誰を狙っているのかを 教師たち、サッカーのスターたち そのちっぽけな顔で その痩せこけた手で ヴァレンタインは語っている 彼には何か言いたいことがあるんだ …

我が心のローリング・ストーンズ。

おれは激しい嵐と稲光の中で生まれた。 叩き付ける雨の中でママに向かって泣きわめいた。 でも、んなことはどうでもいい。屁みたいな話。 うん、もう気にしちゃいないさ。 ジャンピング・ジャック・フラッシュ、屁っこき野郎。 (ローリング・ストーンズ『Ju…

私を構成する9本の毛鉤(フライ)

フライフィッシングをはじめて約20年になるが、使う毛鉤の種類は年々少なくなっており、実はもはや1回の釣りで9種類も使うことはほぼない。近所の川でばかり釣っていた昨年など、年間でも5種類ぐらいしか使わなかったかもしれない。 実はここに紹介した9本…

Shuffle My Life.

iPodをシャッフルモードで聞いていると、次に何の曲が出てくるかわからないところがいい。 今日の場合、「悪魔を憐れむ歌」(ストーンズ)→ビゼー「アルルの女」より”メヌエット“→「ナイフ」(ジェネシス)→「トルコ風ブルーロンド」(デイブ・ブルーベック…

僕の富士山

2012年、本栖湖に釣りに行く途上、渋滞にはまった暇つぶしに撮った絵。 富士山というのは地理学的にもたいへん珍しい単独峰で、さまざまな偶然が積み重なるようにしてあの美しい姿が形成されたそうだ。人はそこに荘重さとともに、純粋性へのあこがれを仮託し…

ディビッド・ボウイの死に方

■好き!好き!「グラムロック」in 英語塾 僕と同じ1960年代初頭生まれで、特に女性の場合は、洋楽ロックに目覚めたキッカケが、1972年頃からのグラムロック(特にT.REX)・ムーブメント、もしくは1974年頃からのBCR・クイーンの二大アイドルグループのどちら…

時代劇大好き!

www.nhk.or.jp TV時代劇が絶滅寸前といわれる中、NHKが木曜時代劇の枠で良質なドラマ作りをしていることは非常に頼もしい。 この正月には、僕が好きだったシリーズ『吉原裏同心』の特番“ 新春吉原の大火” が放映され、とてもうれしかった。木曜時代劇のいい…

「朝露」と「渚にて」

冬至が近いというのに、季節外れの朝露の話である。 先日、カースティ・マッコールの命日に「They Don’t Know」が自分にとって重要な曲であることを書いた( 追憶のカースティ・マッコール - プログレッシブな日々 )が、同じぐらい自分にとって大きな意味…

追憶のカースティ・マッコール

12月になると聴きたくなる曲の一つが、ザ・ポーグス『フェアリーテイル・オブ・ニュー・ヨーク』(下記リンク)。この曲でポーグスのシェイン・マクガウアンとデュエットしているのがカースティ・マッコールだ。この時期にこの曲を聴きたくなるのは、クリス…

師走の嵐が丘にて。

「エレン、あとどれくらいしたら、わたし、あの丘のてっぺんまで行けるようになる? 丘の向こう側にはなにがあるのかなあ──海?」 「違いますよ、キャシー嬢ちゃん」あたしは答えたものです。「これとおなじような丘が連なっているんです」 (エミリ・ブロン…

敗戦70周年の年の開戦の日

youtu.be 今年は終戦(敗戦)70周年という区切りがよい年なので、日米開戦の12月8日にはあのバカげた太平洋戦争開戦についてさまざまな論評でメディアが賑わうかと思ったが、そうでもなかった。ひょっとしたら私が知らないところでもりあがっているのかもし…

「平成」と「昭和」の狭間で「明治の人」を想う

昭和天皇が亡くなった時、私は27歳だった。今朝ふと気づいたのだが、今年54歳の私は昭和と平成をちょうど27年ずつ生きていることになる。今後は平成の年数だけが増えていくわけだ。自分を「昭和の人」と思い込んでいたから、このことはちょっとした驚きだっ…

星が見えない夜の地下鉄車内の魔女

窓の外を見ていると、いろんな場面が目に映る。 窓の外を見ていると、いろんな人が生きている。 でもなんかおかしい。どうにもヘンだ。 ちょっとしたことでも見逃すな。 ちょっとしたことでも見逃しちゃダメ。 どんなにつまらないことでも見逃さないように。…

人間は考える葦、かもしれない。

二つの似寄った顔は、いずれも別々では人を笑わせはしないが、一緒にならぶと、その相似によって人を笑わせる。 (パスカル『パンセ』第2綴「空虚」 松浪信三郎訳 より) 講談社文庫版『パンセ』をおよそ30年ぶりに手に取ったら、上記引用文のあるページに…

太宰治から村上春樹へ

『本の雑誌』最新号(390号)の特集が太宰治だというので早速購入した。特集内容は以下の通り。じつに素晴らしい! ■特集:「太宰治は本当に人間失格なのか?」 対談/ダメ人間作家コンテスト! 西村賢太vs坪内祐三 コラム/編集者某が明かす作家借金伝説! …

あるロシア人女医の思い出

美味しいロシア料理を食べながら、思いを馳せたのはうちの近所にある病院の創立者・故武谷ピニロピ先生の病院だ。この奇妙な名前の女医さんは、僕の小中学校時代、眼科の校医であった。ちょっとおっかない外人の婆さんという印象があるが、今となっては懐か…

夢を見た。

Eurythmics - Sweet Dreams (Are Made Of This ... ・・・仕事に追われる中、あまりにも不勉強な自分に愛想をつかして、大学に通い直すことにした。今度は文学部なんていう愚にもつかない学部ではなく法学部に入学する。しかし、学生となった私にも容赦なく…

タコとブロッコリーのスパゲティ

イタリアで暮らすようになってから、いろいろな家庭料理を知ることになりました。そこで大きな発見をしたのです。 それは「イタリア料理って、世界一簡単なんだ」ということ。別の表現をすれば「簡単なほどおいしいのがイタリア料理」 (タカコ・半沢・メロ…

ヒットチャート嫌いだった私のオールタイムベスト20

10代の頃、ヒットチャートっていうのが大嫌いでした。 いや別に「音楽の商業主義を排す」….. なんていう子どもっぽいお題目を唱えるつもりはありません。 商業主義、大いに結構じゃないですか! 優れたミュージシャンはどんどん儲けるべきです。 むしろ60〜7…

日本人は笑えない

三十年間で何が失われたかと言えば、まともな嫌悪感である。(中略)〈良識〉というとおとなしくきこえるが、その元になるのも、嫌悪感である。 (小林信彦「平成つれづれ草」『日本人は笑わない』所収) 上の引用はバブル崩壊後の日本社会の有り様に触れて…

映画『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』雑感

8/1公開!映画『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』公式サイト 先週、ブライアン・ウィルソンの伝記映画『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』を見た。予想通りの、いや予想以上に素晴らしい作品であった。しかしこの映画が純粋に一人の男を主人公とし…

Struggle for Life 〜ソコソコの人生について〜

写真はハンガリーのプログレッシブロックバンドAfter Cryingのライブアルバム「Struggle for Life」。ジョン・ウェットンをゲストに迎えての“Starless”も収録されています(ジャケ画像をクリックするとAmazonへのリンクページへ)。 「汝この門より入る者、…

わがソドムへようこそ

ソドムとゴモラの叫びは大きく またその罪は非常に重いので 私はいま下って 私に届いた叫びのとおりに すべて彼等がおこなっているか どうかを見て それを知ろう (大島弓子『わがソドムへようこそ』) 大学4年の春、社会に出る前に裏社会について見聞を広…

退化する意思

ぼくは小さなころから、妖怪っていうのは、本当にいるのではないかと、両親や先生に質問し、そのおろかさをわらわれたことがあった。 ぼくはその妖怪で、いまはめしを食っているわけだ……。 (水木しげる『ほんまにオレはアホやろか』) 自らに内在する探求心…

『Roger Waters The Wall』に圧倒される

昨日9月29日一日のみの上映(しかも国内4箇所のみ)という「Roger Waters The Wall」を見にいった。FBフレンドからの情報で、当日の昼に上映があるのを知り、仕事を慌てて片付けてから、上映会場であるイオン板橋店に駆けつけた。平日一日のみの上映。う〜ん…

普通に生きるための覚え書き

ただ一群の文学者たちのうわずった、気狂いじみた、地球の滅亡を憂えうるといった最大限の嘘と喧噪に、できるだけむきにならず「現在」の現象のひとつとしてからかいの対象にしたかった。つまり真剣にからかったのだ。わたしは、そのために大事な知己たちを…

How Soon Is Now? 〜 9月の思い出

So you go, and you stand on your own, and you leave on your own, and you go home, and you cry, and you want to die (The Smiths「How Soon Is Now?」より) 20代半ばの頃、パンクバンドの雇われベーシストをやった。加入して2週間後にライブの予定…

マーク・ボランが死んだ夏休み明け

1977年の髙1の夏休み。その年は極端な冷夏だった記憶がある。野外も部屋の中も冷え冷えとする。もちろん、何日かはいわゆる夏日もあったのだろうが、寒々とした記憶ばかりが残る奇妙な夏だった。 そうなのだ。ほとんど暑かったという記憶はない。そんな夏は…

開高・三島、そして戦争を知らない子どもたち

最初にいっておくと、この一連の文章には結論はないし、それどころか明確な論旨さえない。最近、「戦争と平和」「生と死」について考えたことをそれほど脈絡を気にせず、なんとなく結びつけながらまとめただけのモノである。私以外の人が読んで面白いかどう…

風に語りて(I Talk To the Wind)

生真面目な男が、遅れてきた男に言った。 「お前はどこにいたんだ?」 「僕はここにいたし、僕はあそこにいたし 、 そしてその真ん中あたりにもいたのさ」 僕は風に話しかけた。言葉はみんな運び去られてしまう。 僕は風に話しかけた。 風は聞いてはいない…