プログレッシブな日々

混沌こそ我が墓碑銘。快楽の漸進的横滑り。

April Come She Will 〜今月の読書録〜

なんだかんだ言って本読んでるな。でも、積ん読も多いんですよ。仕事で読んだ本を除いて、今月読み終わった本をざっと紹介してみる。 聲の形(講談社/全7巻) 大今良時 アニメ映画化もされた話題作。設定からは「障害者差別」「いじめ」というタームが思い…

『海街diary 8 恋と巡礼』読了

1年以上ぶりの第8巻が発売されたので、早速購入して読了。『恋と巡礼』....実際に巡礼する場面が出てくるのだが、さまざまな想像を掻き立てる魅惑的なサブタイトルである。 本巻ではこれまでもっぱらお笑い担当で脇に徹していた三女のチカが新しいヘアスタイ…

どうでもいいこと。

すべてはどうでもよいことだったゆえに、父はどこへ行っても好き勝手にふるまう(テニスクラブにもぐり込む、レストラン評論家のふりをして無料で食事にありつく)ことができた。それを可能にするために、父は自分の持つ魅力を精いっぱい活用した。だからこ…

Der Steppenwolf(荒野のおおかみ)

荒野のおおかみ (新潮文庫) 作者: ヘッセ,高橋健二 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1971/03/02 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 13回 この商品を含むブログ (36件) を見る 街がフレッシャーズであふれるこの季節に、若干の屈託とともに思い出す文学作…

『騎士団長殺し』をめぐる冒険

「歴史の中には、そのまま暗闇の中に置いておった方がよろしいこともうんとある。正しい知識が人を豊かにするとは限らんぜ。客観が主観を凌駕するとは限らんぜ。事実が妄想を吹き消すとは限らんぜ」 (村上春樹『騎士団長殺し』〜 騎士団長の台詞より) 先…

3・20の思い出

www.jiji.com 22年前の本日、僕は有給休暇をとって早朝から妻と河口湖にボートを浮かべて、ルアーでニジマスを釣っていた。午後、すっかり冷えた体をほうとうと温泉で暖めて、帰りのクルマで聴いていたラジオで地下鉄サリン事件を知った。 帰宅して当時の職…

卒業式だと言うけれど 何を卒業するのだろう。

熱い心をしばられて 夢は机で削られて 卒業式だと言うけれど 何を卒業するのだろう あーわかってくれとは言わないが そんなに俺が悪いのか ララバイ ララバイ おやすみよ ギザギザハートの子守唄 (チェッカーズ『ギザギザハートの子守唄』作詞:康珍化) 卒…

年度末の差し迫ったこの時期に音楽ファンとしての自分を点検する。

そこにあるものではなく、ないものをプレイするんだ。知っていることではなく、知らないことをやる。変化しなければいけない。それは呪いのようなものだ。 Don’t play what’s there, play what’s not there. Don’t play what you know, play what you don’t…

Memento Mori.

今月が終わる前にどうしてもこの一文を記しておきたかった。 自分の人生のどんなに短い一場面でも、確かに同じ時間を並走していたと思える「人」を失うのは言うまでもないが非常につらい経験だ。好きなミュージシャンや作家、スポーツ選手、俳優などもそこに…

戦争と貧困 〜山田参助『あれよ星屑』へのオマージュ

「貧困」が大きな社会問題となり、実際、奨学金や年金、生活保護などにおいてさまざまな制度的矛盾が露呈してしまっている。 現在55歳の僕が物心ついた頃は、まだ日本は貧しかった。目に見えて貧しかった。わが家はそれほど貧しくはなかったが、身近に貧困家…

震災と電話について

(Jun Teramoto - Flickr: after Tsunami --- Devastation in Haramachi-ku, Minamisōma, Fukushima after the tsunami) こういう私のざまを「精神の荒廃。」と言う人もいる。が、人の生死には本来、どんな意味も、どんな価値もない。その点では鳥獣虫魚の生…

『沈黙 ─サイレンス─ 』を見たよ。

……デウスと大日と混合した日本人はその時から我々の神を彼等流に屈折させ変化させ、そして別のものをつくりあげはじめたのだ。 言葉の混乱がなくなったあとも、この屈折と変化とはひそかに続けられ、お前がさっき口に出した布教がもっとも華やかな時でさえも…

鎮静剤としてのジョージ・ハリスン

朝っぱらから言いたかないけど、オレのブルー・スウェード・シューズを踏むなよな。 おい、オマエ! 照れるなよ。俺のフィドルを弾いてみせろよ。 ベートベンをぶっとばせ! チャイコフスキーもたまげるぜ。 (チャック・ベリー「ロールオーバー・ベートベン…

アマチュアについて。

テレビ芸人で絵本作家もやっているという人が、ベストセラーになった自分の作品を電子版で無料にしたということで話題になっていた。 キングコング 西野 公式ブログ - お金の奴隷解放宣言。 - Powered by LINE 要は2000円もする自分の絵本を子どもが気軽に買…

読書について

夥しい書籍が──数百枚の重い粘土板が、文字どもの凄まじい呪の声と共にこの讒謗者の上に落ちかかり、彼は無慙にも圧死した。(中島敦『文字禍』) 何度、本なんかもう読むまいと思ったことか。 他人の思考経路に付き合ったり、法螺話に相づち打ったり、 読書…

「愛しのフリーダ(字幕版) 」を見たよ。

愛しのフリーダ(字幕版) 発売日: 2014/05/30 メディア: Amazonビデオ この商品を含むブログを見る 1961年、リヴァプール。17歳のフリーダは同僚に連れられてキャヴァーン・クラブへ出かけ、ステージで演奏する革ジャンの4人組、ザ・ビートルズの音楽に衝撃を…

音楽という名の魔物

ああ・・・あのソナタは恐るべき作品ですよ。まさにあの部分がね。それにだいたい音楽というのは恐るべきものですよ。 あれはいったい何なのでしょう? 私にはわかりません。音楽とはいったい何なのですか? 音楽とは何をしているのか?音楽は何のためにその…

2016年のR.I.P.

子供っぽい純粋さと大人が作ったスターダムの間で呆然と立ち尽くし 鋼のような風にさらわれていったお前。 笑い者であり、異邦人であり、伝説であり、殉教者である そんなお前だからこそ、さあ、輝くんだ! (PINK FLOYD「Shine on You Crazy Diamond」拙訳…

ジョン・レノンが死んだ日 〜Nobody Loves You (when you're down and out) 〜

www.youtube.com 36年前のことはつい昨日のように思い出せる。僕は大学のラウンジで紙コップのコーラを飲みながらフランス語の試験勉強をしていて、ラウンジに流れるFMラジオ放送の臨時ニュースでジョン・レノンが撃たれた事件を知った。女性ディスクジョッ…

女子にはわからぬヒゲの話。

今週はひたすら原稿を書き、企画をまとめる週ということで、もう3日もヒゲ剃っていない。明日からは外出・出張続きなのできれいさっぱりヒゲを剃り、連日のようにスーツを着ることになるだろう。先日亡くなったキューバのフィデル・カストロは戦闘服とヒゲ面…

師走のパトリシア・ハイスミス

12月になると、パトリシア・ハイスミスの小説が読みたくなる。理由はわからない。よって、以下とりとめなく書く。 見当違いの努力ばかりが繰り返されている精神病院。家庭を守るべき女たちが──生徒はほとんど女ばかりだった──最低限の家事さえ怠って出歩いて…

夢の夢

John Lennon-#9 Dream-Offical Video-HQ 今朝、明け方にものすごく印象的な夢を見たのだが、起きてみると印象ばかりが残って具体的なシークエンスが散逸してしまっていた。 切れ切れになった夢の破片を拾い集めてみると……。 「ルイ王朝風の広間での同窓会」 …

「フライ」と「プログレ」

「フライ」と「プログレ」、そして「アラブの春」 僕の趣味は釣りと音楽鑑賞と読書である。 実に面白味のないラインナップだが、釣りでもっぱら楽しんでいるのはフライ・フィッシング(フライ)だし、音楽はロックを中心に幅広く聞くが、特に英国ロック、プ…

「バーチャル天皇制」を提案する

天皇陛下の〝生前退位〟をめぐり、政府が設置した「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」(座長:今井敬・経団連名誉会長)が今月7日、専門家へのヒアリングを始めた。焦点となる退位の是非は、意見を述べた専門家5人のうち2人が賛成、2人が反対…

類型的な人間 〜11月の呟き

彼もまた、大抵の私たちと同様、罪──果して罪と言えるかどうか分からぬが──を犯すと、一旦は後悔しても、機会が与えられると、再び同じ罪を犯すのだった。気は短かったが、心はやさしく、寛大で、腐敗堕落した時代の人でありながら、人柄は誠実だった。夫と…

『魔太郎がくる!! 』の正義?

近頃、またしても「いじめ」問題で世間が喧しい。しかし、これはきわめて根深い、人類文明の古典的な問題であり、現代特有の問題としてクローズアップされている構図に少々違和感を覚える。 写真賞を受賞した作品に笑顔で写った数日後に自ら命を絶った青森の…

信じる者は救われる...かも 〜『イエメンで鮭釣りを』雑感

イエメンで鮭釣りを (エクス・リブリス) 作者: ポールトーディ,Paul Torday,小竹由美子 出版社/メーカー: 白水社 発売日: 2009/04 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 40回 この商品を含むブログ (34件) を見る 「あなたのジョーンズ博士にはコリンと一…

不毛地帯から。

ストーリーは難解で、テーマも稚拙な不毛な作家だったが、ヘミングウェイやフィッツジェラルドなど同年代の作家の中では言葉を武器として戦うことのできる数少ない作家だった。 (村上春樹『風の歌を聴け』) 今年も村上春樹氏のノーベル文学賞受賞がささや…

「塊」としてのビートルズ 〜映画『ザ・ビートルズ〜EIGHT DAYS A WEEK - The Touring Years』雑感 〜

www.youtube.com 映画『ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK』公式サイト つい最近発売された「Live at Hollywood Bowl」の余韻に引きずられるように、先週、有楽町のミニシアターで『ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK - The Touring Years』を観た。 1963…

夢と夢解釈 (講談社学術文庫) 作者: ジークムントフロイト,Sigmund Freud,金森誠也 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2001/09 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (5件) を見る 身体的な事情があって、一昨夜より、熟睡が出来ない。 そのためか明け方にも…