プログレッシブな日々

混沌こそ我が墓碑銘。快楽の漸進的横滑り。

「恋と革命のインドカリーの日」なので『中村屋のボース 〜インド独立運動と近代日本のアジア主義』雑感。

中村屋のボース―インド独立運動と近代日本のアジア主義 「リベラル保守」の論客としてメディアでも盛んに発言されている中島岳志氏の出世作が本書だ。過激なインド独立の闘士・ラース・ビハリ・ボースが、日本に亡命し、第二次大戦に突入していく日本の国情…

「ヨシュア・ツリー」をめぐるもやもやと納得。

先日、U2の13年ぶりの来日が決定した。しかも名盤「ヨシュア・ツリー」ツアーだという。 話題はそのチケット代の高さだ。もちろんU2はいまやレジェンド級の大物ロックミュージシャンであることは確かで、それなりのチケット料金が発生するのは仕方ない。だが…

「二十歳の原点」の高野悦子さん(と村上春樹)が今年70歳になったことに気付く

二十歳の原点 (新潮文庫) ふと、「二十歳の原点」の高野悦子さんが今年70歳になったことに気付く。 1969年に20歳で(おそらく)鉄道自殺をした立命館大学生・高野悦子さんの日記をまとめた「二十歳の原点」。いわゆる政治の季節における煩悶と挫折、そして自…

待望の1冊『身近で楽しい! オイカワ/カワムツのフライフィッシング ハンドブック 』届く

身近で楽しい! オイカワ/カワムツのフライフィッシング ハンドブック: 初めての釣り、身近なレジャーにも最適! 最初の一匹との出会いからこだわりの楽しみ方まで。 フライフィッシングを始めた頃、何気に洋書(米国)の入門書を買ってみた。案の定、テクニカ…

5/18付日経夕刊に東京の個性派ホテルについて書きました。

style.nikkei.com 「Nikkei style」でどなたでも読めるようになりました。

『だれがコマドリを殺したのか? 』を読んで、大阪万博の年にイーデン・フィルポッツと出会ったことを思い出す。

だれがコマドリを殺したのか? (創元推理文庫) イーデン・フィルポッツの名を知ったのは、1970年、大阪万博の年だった。僕は8月上旬に兵庫県伊丹市にある祖父母が同居する伯父の家に泊まって、一緒に来た父と大阪・吹田市千里丘陵にあった万博会場に3日間ほ…

『はじまりのゼルダ 最初期音源集 1980-1982』雑感

はじまりのゼルダ 最初期音源集1980-1982 なぜか突然発売されたゼルダ草創期の貴重な音源集。 僕がもっとも好きなゼルダは、ギターのフキエさんとドラムのアコさん加入後の3枚『カルナヴァル』『空色帽子の日』そして個人的には最高傑作の『C‐ROCK WORK』。 …

NETFLIXのオリジナルドキュメンタリー『リマスター:ロバート・ジョンソン』雑感。あるいは私の「27クラブ」

www.youtube.com NETFLIXのオリジナルドキュメンタリー『リマスター:ロバート・ジョンソン』を見た。 ジョンソンに関してはかなり研究も進み、私も伝記やドキュメンタリーに接しているのでこの番組にはそれほど目新しい情報はなかったが、最新の研究成果を…

耳鳴り、実は病気かも メニエール病や脳疾患… : NIKKEI STYLE

style.nikkei.com 耳鳴り、実は病気かも メニエール病や脳疾患… : NIKKEI STYLE4月13日日経朝刊別刷り「プラス1」掲載の健康コラムがNIKKEI STYLEでどなたでも読めるようになりました。子どもの頃は「耳鳴り」が聞こえると「もしかして宇宙人や霊界からのメ…

4月19日のクリシェ

人類は一つも昔から、美しくも幸福にも進歩していない。一を得れば一を失う。新しい美が生まれれば古い美が失われる。一つの幸福を得れば、もう一つの幸福が消える。美と幸福の相対量は、紀元前と同じである。 (山田風太郎『戦中派不戦日記』4月19日の項…

『The White Album』 Morgan Jamesが素晴らしいぞ!

youtu.be 今日は短めの文章を数こなす仕事だったので、なにかいいBGMはないだろうかと探して見つけたのがこれ。ミュージカル女優でR&B系ヴォーカリストでもあるモーガン・ジェームスによるビートルズ「ホワイト・アルバム」の全曲カバーである。モーガン…

ブラインドサッカーの「日本Vsイングランド」戦を見たよ。

3月23日(土)、東京都品川区の区立天王洲公園で開催された国際大会「ブラインドサッカーワールドグランプリ(WGP)2019」を観戦した。 www.wgp-blindfootball.com この大会には日本やアルゼンチン、イングランド、スペインなど世界ランク20位以上の8カ…

ネコ・魚・夜景好き集まれ 検定きっかけにファン交流(日本経済新聞3/9夕刊)

3/9夕刊に掲載されたコラム記事がNIKKEI STYLEに転載され、どなたも読めるようになりました。 style.nikkei.com

歴史の行方を決める「兄弟の争い」〜観応の擾乱 - 室町幕府を二つに裂いた足利尊氏・直義兄弟の戦い (中公新書)雑感

観応の擾乱 - 室町幕府を二つに裂いた足利尊氏・直義兄弟の戦い (中公新書) 日本の歴史の転換点には「兄弟の争い」がある。まず最初は実質的な日本建国時の天智・天武の確執(およびそれに起因する壬申の乱)で、次に長岡京をめぐる桓武と早良の確執があった…

今は亡き釣り人のために。

AMAZING GRACE for Mr.T サクラマス釣りの男性流され死亡 福井市の九頭竜川、1人は救助 | 事件・事故 | 福井のニュース | 福井新聞ONLINE 昨夏、友だちのIさんに紹介された大阪のTさんと言う知り合いの釣り人が、先月、サクラマス解禁で訪れていた九頭竜川…

『書店主フィクリーのものがたり』(ハヤカワepi文庫/ガブリエル ゼヴィン)を読んだよ。

書店主フィクリーのものがたり (ハヤカワepi文庫) ハヤカワepi文庫にハズレなし! 本好きにとって最高の小説だ。翻訳もいい。文庫本裏カバーの梗概は以下の通り。 《島に一軒だけある小さな書店。偏屈な店主フィクリーは妻を亡くして以来、ずっとひとりで店…

梅原猛『海人と天皇 ~日本とは何か~』再読

先日亡くなった梅原猛は、イマジネーション豊かな古代史への視線で歴史のタブーに挑んできた。聖徳太子、柿本人麻呂の怨霊を古代史に持ち込んだその力業は歴史学的には問題が多いのだが、古代史の文脈にそれまでになかった視点を提供した偉業には違いない。…

アンプラグドってみました。

アンプラグドてみました。「JJFブルース」エレキをアンプにつながない正統派アンプラグドです。テレキャスター・シンラインはこういう時に便利だな。

アゴタ・クリストフ『悪童日記』『ふたりの証拠』『第三の嘘』にやられる。

読もう読もうと思ってなかなか読めない本を出張の機会に読むことが多い。出張中はほとんど残業というか、夜の用事がないのでむしろ読書が捗るというわけだ。 今回はこのアゴタ・クリストフ著『悪童日記』、そして続編である『ふたりの証拠』と『第三の嘘』の…

橋本治が死んで、『蓮と刀』が残された。

蓮と刀 蓮と刀―どうして男は"男"をこわがるのか? 橋本 治/作品社 (1982/05) 橋本治の死に、ジョン・レノン、伊丹十三、デヴィッド・ボウイの死と同様に、重いボディーブローをくらったような気分でいる。何を書いたらいいのかわからないので、ほとんど自動…

『悪童日記』を読んだよ。

悪童日記 (ハヤカワepi文庫) 読もう読もうと思ってなかなか読めない本を出張の機会に読むことが多い。出張中はほとんど残業というか、夜の用事がないのでむしろ読書が捗るというわけだ。 今回はこの『悪童日記』。続編である『ふたりの証拠』と『第三の嘘』…

お正月に江戸川乱歩の異色作『十字路」を読んだ。

十字路 (江戸川乱歩文庫) 戦後になって、少年探偵団シリーズばかり書いていた乱歩が模索して書いていた大人向け作品に『化人幻戯』『影男』(明智小五郎の最終作)などがあるが、この『十字路』も同時期の作品。僕は江戸川乱歩全集を中高生時代に読破したの…

日経夕刊に「お得な大学博物館巡り」を書きました。

www.nikkei.com 今日の日経夕刊に、特色ある大学博物館の紹介記事を書きました。写真の大阪音楽大学をのぞいては入館無料です。

有楽町の元パンパンと敬虔なクリスチャン女性記者と父

有楽町のパンパン 年末になると思い出す父のエピソードがある。今年はある有名な報道カメラマンのセクハラ騒ぎもあって余計にそのエピソードを思うことになった。 4年前に84歳で死んだ父は、元朝日新聞社経済記者で、40代前半からは編集委員という肩書で自…

日経新聞に「変形性ひざ関節症」について書きました。

style.nikkei.com 中高年のみなさん、寒いとついつい家に籠もりがちですけど、歩け歩け!それが将来の元気を助けます。

「私は高校野球というのが実に吐き気がするほど嫌いです」〜伊丹十三『女たちよ!』の思い出

女たちよ! (新潮文庫) 自分がコピーライター、もしくはライターと呼ばれる仕事をするようになったきっかけはなんだろうと考えると、父親が本好きであったことがまず思い浮かぶ。わが家にはそこらへんの街の本屋より本があったし、団地住まいだった頃は家に入…

『評伝 管野須賀子 ~火のように生きて~』を読む。

評伝 管野須賀子 ~火のように生きて~ 高校時代の日本史の授業で、自分が関心ある日本史上の出来事を調べて発表するという課題があり、僕は大逆事件を選んだ。当時、マルクスや社会主義への興味が強くなっていたからだと思う。確か「足尾鉱毒事件」とどっちに…

“頑張らなくていいよ”とジョージは言った。

George Harrison - Cheer Down 「無条件で涙を流せる曲を何曲持てるかが、その人の人生の価値を決める」 などと、有名な人の言葉のように太字「 」付きで書いてみたが、たった今の思いつきである。 今日はジョージ・ハリスンの命日で、僕はジョージの曲に「…

ほんとうに「クイーンは日本の少女たちが発見した」のか? 

大島弓子『ほうせんか・ぱん』(1974年)より 世間ではクイーンの伝記映画が盛り上がっていて、その語られる文脈の中で「クイーンは日本の少女たちが発見した」というものがある。ほんとうだろうか? 確かにデビューアルバムは本国で不評だったようだが、セカ…

アイザック・アシモフ『黒後家蜘蛛の会3』を読んだよ。

黒後家蜘蛛の会3【新版】 (創元推理文庫) SF作家であるアイザック・アシモフによる本格ミステリ連作短編の3巻目。特許弁護士、画家、数学者、暗号専門家など多士済々の秘密クラブ「黒後家蜘蛛の会」で繰り広げられる推理ゲームという設定で書かれた連作短編…