プログレッシブな日々

混沌こそ我が墓碑銘。快楽の漸進的横滑り。

『評伝 管野須賀子 ~火のように生きて~』を読む。

評伝 管野須賀子 ~火のように生きて~ 高校時代の日本史の授業で、自分が関心ある日本史上の出来事を調べて発表するという課題があり、僕は大逆事件を選んだ。当時、マルクスや社会主義への興味が強くなっていたからだと思う。確か「足尾鉱毒事件」とどっちに…

“頑張らなくていいよ”とジョージは言った。

George Harrison - Cheer Down 「無条件で涙を流せる曲を何曲持てるかが、その人の人生の価値を決める」 などと、有名な人の言葉のように太字「 」付きで書いてみたが、たった今の思いつきである。 今日はジョージ・ハリスンの命日で、僕はジョージの曲に「…

ほんとうに「クイーンは日本の少女たちが発見した」のか? 

大島弓子『ほうせんか・ぱん』(1974年)より 世間ではクイーンの伝記映画が盛り上がっていて、その語られる文脈の中で「クイーンは日本の少女たちが発見した」というものがある。ほんとうだろうか? 確かにデビューアルバムは本国で不評だったようだが、セカ…

アイザック・アシモフ『黒後家蜘蛛の会3』を読んだよ。

黒後家蜘蛛の会3【新版】 (創元推理文庫) SF作家であるアイザック・アシモフによる本格ミステリ連作短編の3巻目。特許弁護士、画家、数学者、暗号専門家など多士済々の秘密クラブ「黒後家蜘蛛の会」で繰り広げられる推理ゲームという設定で書かれた連作短編…

『サカナとヤクザ』(鈴木智彦・小学館)雑感

サカナとヤクザ: 暴力団の巨大資金源「密漁ビジネス」を追う 作者: 鈴木智彦 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2018/10/11 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 話題の一冊『サカナとヤクザ』(鈴木智彦・小学館)を仕事の合間に読み進めた。東北、…

日本経済新聞10/27夕刊オフナビに「中高年『エレキ愛』沸騰」を書いたよ。

先週土曜日の日本経済新聞夕刊に「中高年のエレキ愛」をテーマにしたコラム記事を書きました。 www.nikkei.com

「原子力の日」あるいは「反原子力デー」に思い出すLPレコード。

No Nukes by Various Artists (1997-05-03) 10月26日は「反原発デー」だそうです。いや、もともとは「原子力の日」だったのですが、その日にぶつけた反原発デモなどが開催されるためにそういうことになったらしい。 1979年、米国でスリーマイル島原発事故が…

NHKスペシャル「“樹木希林”を生きる」を見たよ。

NHKスペシャル | “樹木希林”を生きる さる9月26日に放送されたこの番組を予約録画して、見るタイミングを考えていた。 それなりに心の状態を整えてから見たほうがいいような気がしたからだ。 でも、結局、先週の仕事の締切に追われる慌ただしさの合間を縫っ…

『明治維新という過ち 〜日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト』雑感。

明治維新という過ち 日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト〔完全増補版〕 (講談社文庫) とある著名女流歴史小説家が、時代の先が読めない無知な暴力集団である新撰組が大衆に人気があるのが解せない…と堂々と書かれているのを読んだことがある。新撰組は…

木田元『反哲学入門 』を読んだよ。

反哲学入門 (新潮文庫) しばしば大学の文系学部の学問が役に立たないという話題で盛りあがるが、役に立たない学問のうち最たるモノが哲学だろう。そもそも私たちは哲学とはなにかがいまいちよくわかっていない。 本書は癌から生還したばかりの著書が語り起こ…

銅像になってしまった園長先生

私の出身幼稚園の門の所に創立者夫妻の銅像が建っている。 園長夫妻の銅像。妻が園長。夫はおそらく理事長だったんだと思うが、園児の前にはほとんど登場することはなかったので顔はまったく覚えていない。 わが家から1kmもない所で隣にマルエツがあるため、…

『九人と死で十人だ』(カーター・ディクソン)雑感。

九人と死で十人だ (創元推理文庫) 参加しているとある書評サイトで、書評を執筆することを前提に献本として本書をいただいた。 カーター・ディクスンによるH・M卿ことヘンリ・メルヴェール卿モノの1作。これまで文庫化されたことがなかったようで、私も今回…

仕事や家事が滞りがちに… ストレス蓄積の兆しかも

style.nikkei.com7月28日(土)の日本経済新聞 ・NIKKEI プラス1に書いた健康記事です。なかなか夏バテから回復せず、夏休み明けのこの時期は憂鬱な気分になり、なにかとストレスをためやすいかもしれません。くれぐれもご注意を。

小学館「P+D BOOKS」礼賛

夏の砦 (P+D BOOKS) 以前は文庫本で代表作の多くが入手できた戦後昭和文学の作家たちの作品がいつのまにか入手困難となっている。 文庫本というのはある程度の古典は網羅するけど、戦後の作家など中途半端に古く、忘れ去られつつある作品群を絶版にしなけれ…

失われた名盤④『C-ROCK WORK』 ZELDA

C-ROCK WORK 1987年発表の第4作。ムーンライダースの白井良明がプロデュースした前作「空色帽子の日」(1985年)は、統一感溢れるサウンド構成によるコンセプチュアル・アートとも言える傑作で本作と甲乙つけがたいわけですが、本作も元四人囃子の佐久間正…

『絶滅の人類史〜なぜ「私たち」が生き延びたのか』(更科功 著)雑感

絶滅の人類史―なぜ「私たち」が生き延びたのか (NHK出版新書) 人間は万物の中で最もすぐれているものとされていた時代にはしばしば「万物の霊長」という言葉が使われた。最近はあまり使う人がいなくなったが、本書を読むとその理由がある程度理解できる。 …

S・アンダーソン『ワインズバーグ、オハイオ』新訳版を読んでみた。

ワインズバーグ、オハイオ (新潮文庫) 先日立ち寄った本屋で新訳を見つけたので買ってみた。かなり以前、小島信夫訳で読んだ記憶があるのだが、「なんだかアメリカの小島信夫みたいな小説だな」という印象のかけらだけが残った。アンダーソンはアメリカ20世…

『決定版 邪馬台国の全解決』(孫 栄健著)雑感

決定版 邪馬台国の全解決 邪馬台国というのは、歴史の闇から吹き上がった言わばファンタジーにすぎない。いわゆる畿内説だの九州説だのは、歴史学的にはまったくナンセンスな論争だ。にもかかわらず、新たな遺跡発見の新聞報道などではつねに畿内説と九州説…

ワールドカップと喪失感

われわれサッカーファンは、4年に一度、ワールドカップ大会の歓喜を味わうわけだが、同時に大会の終幕とともに大きな喪失感を味わう羽目になる。2002年日韓大会の時は日本代表が初のベスト16となり、共催国の韓国が3位。そのほか番狂わせがいろいろあって…

「目の見えない人は世界をどう見ているのか」(伊藤 亜紗 著)雑感。

目の見えない人は世界をどう見ているのか (光文社新書) 子どもの頃、祖父母と座頭市の映画をテレビで見て衝撃を受けた。勝新太郎演じる市が、見えない白目を剥きながらバッタバッタと敵のごろつきを斬り伏せていく。「目が見えないけれど感覚が研ぎ澄まされ…

興亡の世界史 アレクサンドロスの征服と神話 (講談社学術文庫) 雑感

興亡の世界史 アレクサンドロスの征服と神話 (講談社学術文庫) アンドレア 英雄のいない国は不幸だ! ガリレイ 違うぞ、英雄を必要とする国が不幸なんだ (『ガリレイの生涯』ベルトルト・ブレヒト 岩淵達治訳) 10年ほど前に単行本で出版されていた「興亡…

釣り開始30分前まで、僕は「プログレ」を聴いている。(『フライの雑誌』 第64号〈2004年2月〉掲載)

先日、机の引き出しを整理していたら古いUSBメモリが出てきたので、中を見てみるといろいろ釣り絡みのデータが入っている。その中にその昔『フライの雑誌』に寄稿した元原稿も入っていた。確か「釣りをしない時間」というテーマでエッセイを募集していたのに…

『万引き家族』を見たよ。

gaga.ne.jp 素晴らしく美しい映画でした。 この映画から受けた感銘の詳細を具体的に語ると未見の方々にネタバレしてしまうので、そして多くの方にぜひ真っ白な状態でこの映画を見ていただきたいので、厚い靴下の上から水虫を掻くようなまどろっこしい文章を…

カナリア殺人事件【新訳版】を読んでみた。

カナリア殺人事件【新訳版】 (創元推理文庫) 〝カナリア〟と呼ばれ、数々の浮き名を流す美人女優が自宅で殺され、交際していたことがある5人の男たちに容疑がかかるが、いずれも犯人逮捕の決め手に欠ける。そこで前作「ベンスン殺人事件」を見事解決に導いた…

二度寝の夢

Dream Theater - Pull Me Under 今朝、久々に記憶に残る夢を見た。早朝の二度寝の夢だ。 丸の内付近の仕事が終わって家まで自転車で帰らなくてはならない。疲れているので自転車で帰るのは怠いが、ラッシュ時でもあり自転車を持ったまま電車には乗れまい。歩…

『サイコパス』中野信子(文春新書)雑感

サイコパス (文春新書) 先日、友人とサイコパスに関する雑談を交わし、そういえばサイコパスってわかるようでよくわからないよな….と言う思いにかられ、一昨年ベストセラーとなった本書を手に取った。一読、サイコパスについて現在わかっていることが実にわ…

フィリップ・ロスが亡くなった。

フィリップ・ロスが亡くなったそうだ。大学でフランス文学を専攻した私だが、2年生ぐらいから同時代の作家ではアメリカ文学のほうが面白いかもと思い始めてアップダイクやピンチョンやヴォネガットやロスなどを読み漁った。『さようならコロンバス』『ポー…

『陰謀の日本中世史 (角川新書・ 呉座 勇一 著)』雑感

陰謀の日本中世史 (角川新書) ベストセラーとなった中公新書『応仁の乱』の著者による日本中世史における〝俗説〟や陰謀論を、最新の学説を踏まえて検証した一般向けの歴史解説書。オビには「俗説一蹴!」の煽り文句が躍っているが、著者はどのようなトンデ…

The Feelies『Crazy Rhythms』は素晴らしい!

Crazy Rhythms このところSpotifyでThe Feelies(スペルをみるとフィーリーズなような気がするが、わが国では一般的にフィリーズと呼び習わしているっぽい)のファーストアルバム『Crazy Rhythms』(1980)がヘビロテである。 70年代後半商業主義化したニュー…

東京の釣り堀記事、書きました。

先週土曜日の日本経済新聞夕刊に東京の面白い釣り堀について書きました。ここで紹介しているホンモロコの釣りは5月下旬ぐらいまでお休みで、その間はニジマスとアユの稚魚の釣りとなるようです。としまえんの釣り堀は5月6日までやってます。 style.nikkei.com…